何から書いて良いかわからないので、とりあえず今回は、
Rの基本中の基本、散布図行列を描画する。
ビジネスマンなら基本中の基本、Excelでも出来る散布図だが、
変数が多数ある場合は、大変面倒な作業になる。
オープンソースの統計ツール「R」であれば、秒殺で複数の散布図行列を生成出来る。
keieishihyo
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上図は、全国の自治体病院の経営指標の散布図行列を描画したものである。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/kouei26/html/index_by.html
こちらより各病院の損益計算書のDBがダウンロード出来る。
これから経営指標を算出する。(このデータ処理は次回で説明。)

このデータをRにインポートすることで秒殺でグラフを生成することが出来る。
この図を見て読み取れることは、病院経営の王道と言われる定説通りの結果になっていることだが、
諸々の論文等でも明らかにされていることだが、

散布図1行目は、医業収支比率と各経営指標の相関関係だが、
〇医業収支比率と人件費比率は負の相関関係
〇医業収支比率と経費比率は負の相関関係
〇医業収支比率と入院単価は生の相関関係
散布図7行目は、材料費比率と各経営指標の相関関係だが、
〇入院単価と材料費率は正の相関関係

つまり、ここから言えることは、人件費比率が経営指標としては重要な指標であるということ。
医業収支比率=即ち、本業での利益を確保するためには、
人件費とのバランスが重要で(尤も、費用の大半は人件費であるため)
医業収益対人件費比率の高低は、
分解すると、規模に対して、
 〇人件費が高い
  →給与単価が高い
  →人数が多い
 〇売上が低い
  →単価が低い
  →稼働率が低い
という関係で、人が多くてもそれだけの売上をたたき出していれば、
人件費比率は下がる。人件費比率が下がれば収支比率は上がる。
という構図である。

逆に材料費比率と医業収支比率の関係を見ると正の相関関係。
入院単価と材料費比率も正の相関関係。
周知の通りだが、入院単価の構成要素で最も貢献度の高いのは手術,手技料である。

まず、根本論としては、
定説通りだが、手術or手技の件数が利益率の善し悪しを左右する。
経営改善の流儀は、その次の段階の議論である。
手術、処置件数が増えても材料費が嵩めば利益率は下がる。
人件費に見合った件数でないと利益率は下がる。
こういう財務指標全体のカラクリを理解したうえで、経営改善の
取り組みを行って行かないと、目的を失ってしまう。

相関の検定は次々回にでもアップしたい。