DPC、SQL、R、を中心に分析とかのblog

DPCデータをSQL、RやBIツールを使って分析する奮闘記です。 某民間病院で医療情報等を取り扱っています。

2018年02月

お疲れ様です。

DPCデータは膨大な量です。
中小規模の病院であれば、Accessで事足りるかもしれませんが、複数年を一括処理したくなってくると、
Accessでも限界が来てしまいます。

BIツールを使いこなすためには、SQLserverにDPCのテキストデータを格納して
BIツールで加工しやすい形まで成形しておく必要があります。
BI上ではある程度の容量を扱えはしますが、それだと単にエクセルのピポッドグラフを使っているような
宝の持ち腐れになってしまいます。
(エンジニアさんに言わせると、本来はいちいちテキストデータをserverに格納していく
処理自体が無駄な作業で直接元のDBにODBCでつなげばよいのでは?と言われそうですが)

そこで、SQLserverの環境をまず、構築する必要があります。
serverといっても、あくまでも製品開発するわけでないので、
ある程度のスペックと空き容量がある、普通のPC端末で十分対応できます。

すでにSQLserverを構築してみたという方で、途中で問題が発生し、途中で頓挫した方も多いと聞きます。
その原因はおおむね、serverの認証方法の違いによるものです。

詳しいことはほかのサイトでみてほしいのですが、
結論から言うと、
windows認証
SQLserver認証
のこの2つの認証方法があって、セキュリティ的には後者に越したことはないのですが、
ひとまず、windows認証を選択して、環境を構築することをお勧めします。
セキュリティに関しては認証方法にきを使うよりも、
むしろ、物理的に端末が持ち出されないか等のセキュリティを担保しておいたほうが良いです。
その違いを詳しく知りたい方は、以下を参考にされてください。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1287196302
https://docs.microsoft.com/ja-jp/sql/relational-databases/security/choose-an-authentication-mode

SQLserver認証で問題が起きる場合として、
いわずと知れた、DPC分析本のクラシック中のクラシックである、
DPCデータ分析-アクセス・SQL活用編
https://www.amazon.co.jp/DPCデータ分析-アクセス・SQL活用編-藤森-研司/dp/4840740364
に収録されている、DPCデータをSQLserverに簡単に格納できるデータローダー。
これが正常に動かない場合があります。所定の設定をクリアすれば、動くらしいのですが。

また、データローダーを使わずにデータを読み込みたい場合には、
BULKINSERTというSQLを使うのですが、これもSQLserver認証だと所定の設定をしないと、使えません。
http://nasunoblog.blogspot.jp/2013/12/sql-server-bulk-insert.html





お疲れ様です。

企業にはミッションがあり、ビジョンがある。
医療機関も同じです。
ミッションは明確化されていると思いますが、ビジョンとストラテジーはあるでしょうか?
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=368422
地域医療構想に関するWGでは、公的医療機関等に2025プランを作成するように求める提案が承認されており、
都道府県に通達がいき、該当する医療機関には、作成要請がすでに出ています。
済生会や日赤等の公的病院に加えて、地域医療支援病院までが対象です。
しかし、今後は公的医療機関以外でもこのビジョン作成が求められてくると思います。

私は現場主義なので、きれいなビジョンだけ作ってさっていくコンサルタントは認めません。
当院では本気でこの2025プランを作成しました。
ほとんど、やっつけでつくってしまっている医療機関が多いのではないでしょうか?

こういう機会をしっかりと生かして、ビジョンを明確化する根拠に使えばよいと思います。
将来はこういう病院を目指すんだという思いを全職員で共有するのが
同じ方向を向いて日々の仕事にまい進することができるのではないでしょうか。
経営層が何を考えているのかわからない。等と現場に言われては、悲しいです。
当院では、この2025年プランを最大限活用し、次期経営計画の骨格として
肉付けを行い、院内に広く公表する予定です。

さて、このブログはデータ分析に重きをおいていますので、データ分析の観点からこの
2025プランを論じるとするならば、データ分析は後付けだと思っています。
まずは、経営層がどんな病院にしたいのか。という仮説が先に必要だと思います。
もちろんそのためには、ある程度の参考データが必要ですが、最初からデータ分析がいるのではなくて、
仮説を立ててからデータを集めて、ギャップがあれば、補正をかける。
このような作業を行う必要があると考えています。

院内のデータや公表されているデータは膨大です。
(きちんと加工しやすい形にしてくれれば、もっと公表データも詳細な分析ができると思うのですが・・・)
この膨大なデータを膨大な時間をかけて処理し、分析しても仮説検証に合致していないものを
調べたところで、意味のないデータになってしまいます。

最初に仮説があり、データで根拠づけができるか、
データを見た際に、仮説とかい離していないか。
この確認作業が2025プラン作成の意義だと理解しています。
やっつけでつくるのであれば、ほかにきちんとしたビジョンがありますか?って話です。

そして、そのビジョンに対して、ストラテジーが来ます。
このストラテジーが重要なのです。いうだけ言って、全然夢が実現しないでは
意味がありません。
そして、その後に、BSC等の経営管理、でしょうか。

あるコンサルタントの研修を受けた際に、その講師の方が
リエンジニアリングの際には、これから先、いまと同じことをやっていては、ダメ。
ぶっ飛んだビジョンがないと投資回収は難しいとおっしゃっていました。
そうですよね。例えばリエンジニアリングの際に、借金をするのであれば、
何か生まれ変わる、事業を拡大するとかそのアイデアは多少ぶっ飛んだものでなければ、
回収できません。医療の場合は、営利企業とは違いますから一概には言えませんが、
現状維持は衰退を意味すると思います。
現状維持の会社に金を貸してくれる銀行はないですよね。

先を見据えて夢を語り、その夢を使見るための日々の努力を忘れない。

こういう風に2025プランを活用できれば、激動の医療制度改革を生き残ることができるのではないでしょうか。


様式1には患者の郵便番号が入っているので、
エリアマーケティング分析ができます。
でも、これは時たまやるのは良いですが、
しょっちゅうやるもんではないと思います・・・
短期間のスパンで、劇的に何かの違いや特徴が見出せるわけではないと思います。
地図上にプロットしたところで、何かの示唆が得られるわけでもないので、
分析システムに地図上に患者をプロットできますみたいな、いかにも分析できますみたいな
うたい文句がありますが、あれはあまり有効ではないと思っています。

しかし、ある地域からの患者が少ないなー、ここは空白地帯だなという気づきは得られるかもしれません。
でもそれって、DPCデータから分析する必要があるでしょうか?

DPCデータというよりも、当院の場合は電子カルテのデータのほうがよっぽど使えます。
電子カルテにはどこの医療機関からご紹介をいただいたのかが具体的にわかるので、
しかも医療機関はマスター制御されているので、いとも簡単に集計できてしまいます。
その紹介元の医療機関を地図上にプロットしたほうが、先ほどの気づきはもっと有効なものになります。

BIツールでの話になりますが、

クリックセンスでは、緯度経度の情報がないと地図上にプロットできないそうです。
(知人のクリックセンスマスターの方からおききました。)
しかし、PowerBIであれば、郵便番号さえあれば、自動的に地図上にプロットしてくれます。
https://appsource.microsoft.com/en-us/marketplace/apps?product=power-bi-visuals&page=1&src=office&corrid=dff55137-7081-4ea8-ae28-7a3acfb46c48&omexanonuid=3f1c9fa5-eda5-4b01-bc45-6c978f60a521

現在は、PowerBI上からカスタムビジュアルをそのままDLして使うことが可能となっています。
以前はいちいち、webからDL、保存してフォルダを指定して読み込む必要がありましたが、
現在のバージョンではその手間は省けます。

そこで、地図ソフトメーカーで有名なesriのビジュアルが使えます。
https://docs.microsoft.com/ja-jp/power-bi/power-bi-visualization-arcgis
いとも簡単に、そうとうかっこいいビジュアルが生成できます。

しかし、あくまでもビジュアルでわかりやすいというだけで、
地図上にプロットする際に、自分がどんな仮説を持っているかということが大事です。
例えば、どこかに空白地帯はないか?等。

かっこいい地図分析を出しても、仮説がなければそれは、ただのマスター・・・


↑このページのトップヘ